松亭の前庭 松亭 山梨県甲府市魚町
甲府市中心のかつて魚町と呼ばれたエリア。松亭という料亭が当時あった敷地に町屋建築の豪奢な土蔵があります。明治時代の晩年に職人技の粋を集めて建てられ、しかし朽ちかけていたお蔵がリノベーションされ、ご縁があり周りの修景をさせていただく運びになりました。
御施主様のご希望によりローメンテナンスということでしたので植栽はおさえめで石造物をメインにした空間をデザインしました。まず周囲を板塀で囲み、先代の残した石塔を主に御影石を立込み空間の大半を景石と川砂利で仕上げました。また主導線には敷地内からでた礎石を並べ、雨落ちにはやはり敷地内から出た石造物据えを雨受としました。
石塔ありきの構成でしたので縦への抜け感を意識しメインの植栽は針葉樹、サワラとし、少ない植栽ながら季節感を出したくイロハモミジ、ミツバツツジ、ヤマツツジ、ススキ、水鉢には蓮を植え、また既存の乙女椿をいかしました。
豪奢なお蔵の佇まいを邪魔する事無く引き立てる空間造りを意識し、且つシンプルながら日本の四季の移ろい、美しさを訪れる人々に感じて頂けたら。そんな思いを持って作庭しました。
[常緑樹]
サワラ、ソヨゴ、アセビ、ツバキ（既存）
[落葉樹]
ミツバツツジ、ヤマツツジ、イロハモミジ、ヤマコウバシ、ヒメウツギ [下草類] ススキ、オオバジャノヒゲ、ジャノヒゲ、ハス、スゲ類、ヒトリシズカ、タチツボスミレ等
